用紙代の計算方法

印刷用紙は重さで売買(1kg当たり○○円)されますから見積書にも必要重量の紙の値段が記載されます。また、重量は用紙1枚の重さを表示する米坪ではなく、1,000枚単位の重量である連量を使用します。したがって、正確な重量ではありません。

計算の具体例

ある印刷物に必要な用紙枚数が四六判の110kgで55,000枚、その紙のkg単価が130円だったとします。計算するには単位を揃えなければなりません。110kgという重さは1,000枚の重さですから、まず連量(110kg)を1000で割り、枚数をかけます。これで紙の重量が出ました。あとはその重量にkg単価をかければよいわけです。

{連量(kg)}÷{1000(枚)}×{枚数(枚)}×{単価(円/kg)}

上式に代入すると、110÷1,000×55,000×130=786,500(円)となります。

ここで、用紙の必要枚数を考えてみます。
オフセット印刷は水と油(インキ)を使用しますので、他の工業製品より少し歩留まりが悪いかもしれません。印刷段階でのロス、製本段階でのロスを見込んで用紙を発注しなければなりません。注文数量に1部でも欠けると大変なことになりますから、どうしても安全策をとって少し多めに準備せざるを得ないのです。各印刷会社には社内規定のようなものがあって、1,000枚印刷するときは○枚の予備枚数というような設定がされています。この数字は各印刷会社でまちまちです。さらに、印刷機の形式でもこの予備枚数は変わってきます。すなわち、枚葉機と輪転機です。枚葉機は1枚ずつ印刷をするのに対して、輪転機は巻き取り紙といってトイレットペーパーのようなロールで印刷します。枚葉機は色調整などに以前失敗した紙の裏側などを使用して、極力本紙を節約できますが、輪転機では巻き取り紙のために本紙を色調整などに使わざるを得ません。当然、枚葉機より輪転機のほうが予備紙を必要とします。色調整、水調整、見当あわせなどは印刷を始める前に行うものですから、そのあと何枚印刷しようが常に一定量紙が必要となってくるわけです。印刷物は一度に多く作れば安くなるのは、まさに用紙の必要量が大きな要因の一つとなっているからです。


用語説明

連(れん)・・・ 印刷用紙は大量に使用されるため(特に輪転機の巻き取り紙)枚数表示にすると数字が大きくなるので、「0」を1つ間違えたなんてことにならないように、1,000枚単位でやりとりする。5,000枚なら5連、660,000枚なら660連、または「R」を使って、5R、660Rと表示している。

巻き取り紙・・・ シートであれば規格寸法があるが、巻き取り紙は幅のみの寸法表示となる。例えば、<880mm幅×(625mm)12.5R巻き>という表示の意味は、ロールの幅は880mm(A判の長辺寸法)でA全輪転機にかけた場合巻き取り方向は625mmにカットされるので、880×625mmの紙に換算すると12,500枚分巻き取られていることを表している。

サブコンテンツ

自己学習商品

このページの先頭へ

inserted by FC2 system