企画・デザイン

印刷の見積でこの企画・デザイン代ほど金額にばらつきがある項目はないでしょう。逆に言えば企画やデザインは力の差が最も現れやすいと言えます。印刷や製本はほとんどが機械で行われますから均質化しています。特に印刷は近年数値化(デジタル化)が進み、スピードアップとともに品質の安定化が向上しています。

企画代

一番頭を悩ますのがこの企画代です。どこからどこまでを依頼するかによって金額が大幅に変わってきます。あなたの会社に「マーケティング部」とか「販売企画部」などといった商品開発、販売を専門的に扱う部署があれば販促物としての印刷物はどうあるべきかが最初から印刷会社に提示できますので、企画に関しての料金は発生しないでしょう。しかし、そういった部署を持たない会社では、その企画から広告代理店や印刷会社に依頼するということになります。

実は、広義の印刷料金ということで言えば、この企画代というのは値段があって「ない」ようなものなので、人件費等を考慮してある一定以上の価格を自由に設定できる「おいしい」部分なのです。たとえば、技術料的なものだと思ってください。大手の広告代理店は、この企画代で自社の利益を出しているわけですから(印刷物の仕事まで一括して受注している場合は、もちろんその印刷物でも損はしないように金額を設定しています。)びっくりする見積もりを出してきます。確かに、大手広告代理店は広告や販売戦略など様々なノウハウを持っていますから、安心感があるかもしれません。ただし、安心感は得られてもその戦略が当たるかどうかの保証はどこにもありません。

結局は、満足感の問題です。発注者の心の内に隠していた戦略の琴線に触れた企画であれば、高くないと思うし、逆に思っていた方向とは違う企画であれば高いと思うだけの話です。

デザイン代

1枚もののポスターと数百ページもある商品カタログでは金額の設定がまるっきり違います。当然ポスターはデザイン単価としてはカタログより高いのですが、カタログはページ数がありますから、ページごとのレイアウト代が発生します。デザイン代も企画代と同様に値段があってないようなものですから、「B1」のポスターならいくらという標準価格は設定できても、一律には決められないものです。ですから、ここにも価格を自由に設定できる「うまみ」があります。

カタログを例にとりますと、全体(表紙含む)のデザイン、ページのデザイン・レイアウトという形で価格が設定される場合が多いようです。全体のデザイン代の中には、何種類かのデザインカンプをおこし、クライアントに好みのものを選んでもらうプレゼン代も含まれています。最終的に決定したデザイン1つとデザイン代を見比べると、高いと感じるのはそこに至るまでのプロセスを忘れてしまっているからでしょう。


用語説明

デザインカンプ・・・ デザインを決定するときに、実際の仕上がりに近い状態で作られた、いわば試作品。パソコンが普及する以前はモノクロであったり、ダミーの写真や文字を貼り付けたコラージュのような仕上がりだったが、現在はカラーのレーザープリンターなどで出力したものを提出する。色違いや一部差し替えのカンプを何種類も作ることができる。

プレゼン・・・ 情報伝達手段の一種で、聴衆に対して情報、企画、提案を提示して説明する行為を指し、正しくはプレゼンテーション(Presentation)といい、略してプレゼンとも言われる。

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